
あとがき
なぜ医師は白血病よりも先に感染症を疑ったのか?
意図は医師本人にしか分かりませんが、「細胞が壊れている所見がない」という発言の理由については、ある程度推測できます。私なりの考えを解説してみます。
まず白血病で起こりうる採血異常について。(※一部)
| 項目 | どうなる? | なぜ? |
|---|---|---|
| 白血球(WBC) | ↑・正常・↓のどれもあり得る | 正常な白血球が作れなくなる+白血病細胞が増える |
| 芽球(blast) | ↑ | 血液中に未熟な白血病細胞が出てくる |
| Hb・赤血球 | ↓ | 正常な赤血球を作るスペースがなくなる |
| 血小板(Plt) | ↓ | 正常な血小板産生が抑えられる |
| LDH(LD) | ↑ | 細胞の増殖・破壊が盛んになる |
| 尿酸 | ↑ | 白血病細胞の核酸が分解される |
| K(カリウム) | ↑のことも | 大量の細胞崩壊 |
| P(リン) | ↑のことも | 細胞内から放出 |
| Ca(カルシウム) | ↓のことも | リンの上昇などに伴う |
赤字で表記した項目は、「細胞が壊れているとき」に見られる代表的な採血異常です。
- LDH(乳酸脱水素酵素): 赤血球をはじめ、全身の細胞に多く含まれる酵素です。白血病細胞(がん化した血液細胞)は非常に増殖スピードが早く、壊れやすい特徴があります。細胞が壊れると血液中に漏れ出すため、数値が高くなります。
- 尿酸: 細胞内の核酸(DNA・RNA)が分解されることで作られます。
- カリウム: 主に細胞内に多く存在する電解質です。
- リン: カリウムと同様に細胞内に多く存在します。リンの値が上がるとカルシウムと結合しやすくなるため、血液中のカルシウムは下がります。
このような「細胞が壊れている」状態は他のがんでも見られ、抗がん剤治療で細胞がダメージを受けた際にも生じることがあります。気になる方は「腫瘍崩壊症候群」で検索してみてください。
当時、医師から「細胞が壊れている所見がない」と言われた際、ここまで詳細な仕組みをイメージできていたわけではありません。それでも、「腫瘍崩壊っぽくない→がんではないのかもしれない」と、少し希望が持てたことを覚えています。
初めての病院食は何を食べたか、記憶に残っていないくらい普通でした。
お浸しとかあった気がする! 知らんけど!
覚えているのは、入院が決まり自宅へ帰る前の親が、私が食事をしている姿を見て少し安心したような表情をしていたことです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ちさ


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